「供養」とはどうゆう意味?正確な供養の意味や目的を分かりやすく解説

 

 

 

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前回、喪服について調べていく中で、仏教行事(法事、法要など)の違いなどが気になり調べていました。

けれど、その仏教行事の違いについて調べていく中で更に「なんとなく言葉の意味は知ってはいるけど、その具体的な意味は解らない」仏教用語の言葉の数々に遭遇してしまいました。

その中の一つが【供養(くよう)】です。

そうなんです、お恥ずかしいながらこの「供養」という言葉は知ってはいましたが、

「供養(くよう)とは?」と聞かれたら正確な意味を答えられません。

 

そこで今回「供養(くよう)とはなにか?」供養の正確な意味や目的、種類、について詳しく調べ、分かりやすくまとめてみました。

※仏教用語など難しい言葉がたくさん出てきますが、用語解説と一緒に読み進めて頂くと、「供養」について理解が深まると思います。

 

この機会に「供養」の正確な意味や目的を知り、仏教儀式・仏教行事のときや、”故人を偲ぶ”際に役立てて頂けたらと思います。

 

※故人を偲ぶとは:亡くなった人を懐かしい気持ちで思い出すこと。

※偲ぶ(しのぶ):過去のものごとや、遠く離れている人や場所などを懐かしい気持ちで思い出すこと。

 

そもそも供養とはどんな意味があるのか?

f:id:sasasan0424:20220412190352j:plain画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/96074#goog_rewarded

「供養」の語源は、仏教が生まれたインド、インドの古典語であるサンスクリット語で、「尊敬」「敬意」を表す言葉「プージャー」を日本語に意訳した言葉です。

 

仏教において「供養」とは、言語の意味の通り、仏に「尊敬」や「敬意」の念を込めて、経読したり供物を捧げる行為全般のことを言います。

 

そしてインドから生まれた仏教が日本へ伝わり、仏教が長い時間をかけて日本の『”祖霊信仰”』の風習と馴染み合わさっていく中で、「供養」はいつしか先祖や故人の冥福を祈るすべての行為を意味する言葉へと変化していきました。

このことから、日本では、亡くなった人などに対して冥福を祈る、すべての行いのことを「供養」と呼んでいます。

【用語】

祖霊信仰(それいしんこう)とは祖霊崇拝(それいすうはい)とも言います。

既に死んだ先祖が、生きている者の生活に影響を与えている、あるいは与えることができる、という信仰のことです。

供養の種類は大きく分けて3つある

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供養には「仏教供養(ぶっきょうくよう)」「追善供養(ついぜんくよう)」「行供養(ぎょうくよう)」の3種類があります。

【仏教供養とは】

仏教供養というのは、仏教本来の供養の意味での供養のことを指しています。

仏様(ほとけさま)や諸天(しょてん)、菩薩(ぼさつ)などに対して「尊敬」の気持ちを込めて、供物を捧げることを言います。

仏に捧げる供物は、

1:香華(こうげ)・・香と花のことを指しており、お線香や焼香のことです。

2:燈明(とうみょう)・・神仏に供える火のことで、ろうそく、電球のことを指します。

3:飲食(おんじき)・・お供えする飲み物や食べ物のことを指します。

【用語】

・仏(ほとけ):悟りを得た者や煩悩を解き放った者のこと、または釈迦(しゃか)のこと。

・仏様(ほとけさま):仏を敬っていう語、死人、仏像の仏壇。

・諸天(しょてん):天上界に住んで仏法を守護する神々のことを指す。

・菩薩(ぼさつ):仏の次の位の者、悟りを求め、衆生を救うために多くの修行を重ねる者のことを指す。

【追善(ついぜん)供養とは】

追善供養とは、生きている人が故人(亡くなった人)に対して、冥福を祈るための供養のことです。

この追善供養が日本で最も多く「供養」に対するイメージを抱く方が多いのではないかと思います。

 

「追善(ついぜん)」という言葉には、故人の冥福を祈ると、その善い行いが故人の善い行いとなり、自分自身にも返ってくるという功徳(くどく)の意味があります。

【用語】

※善い行い(善行(ぜんこう):道徳にかなった行為のこと

※功徳(くどく):神仏からよい報いを与えられるような、よい行い。または世のため人のためになるよい行いのこと

 

そして「供養」というというと、お葬式や法要などの特別な行事を指すように思われがちですが、毎日仏壇に手を合わせたりすることも供養になります。

 

日常的な供養として、

・毎日仏壇に手を合わせる

仏壇がある場合は、日々元気で無事に過ごせていることへの感謝をするだけでも、十分供養になります。

 

・お墓参り

お盆や、お彼岸、命日といった特別な仏教行事のときだけ行くのではなく、ご自身が「お墓参りに行こうかな」と思ったとき、お墓に足を運び、故人やご先祖様に語り掛けることが供養になります。

 

・心の中で語りかける

「~でなければ供養にはならない」ということではなく、供養の形は決まったものはないので、心の中で個人に語りかけるだけでも十分供養になります。

【用語】

冥福とは:冥福の「冥」は冥土(死後の世界)のことを指しています。

冥福の「福」は「幸せ」「福を招く」という意味を表しています。

そこから、「冥福を祈る」とは「死後の世界での幸せを祈っています」という気持ちを表すことばの意味になります。

また「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉は、故人に対して死後の世界での幸せを願う気持ちを伝える言葉です。

 

【行(ぎょう)供養】

「行供養(ぎょうくよう)」とは、生きている人が仏の教えに従って、善い行いをして徳を積むこと、つまり仏道修行のことを指す供養のことです。

 

※徳を積む:人間の良い行いを指す言葉ですが、人に知られずとも、良い行いを積み重ねていくことが「徳を積む」ことにつながっていくということです。

供養の目的とは?

f:id:sasasan0424:20220413011613j:plain画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/98353#goog_rewarded

供養の目的には「個人に向けたもの」と「遺族・残された人(生きている人)に向けたもの」2つの目的があります。

 

1:個人に向けたもの

故人の冥福を祈り、亡き人の魂が安らかであることを祈ることです。

 

2:遺族、残された人へ向けたもの

故人の冥福を祈ることは、故人の死と向き合うことになります。

供養を行うことで、残された人たちが故人との思い出を振り返り、故人への想いを共有して心を癒すというものです。

つまり「供養」は故人の冥福を祈るためのものだけではなく、供養は故人のためのものでありながら、残された人(生きている人)たちのためでもあるということです。

まとめ

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「供養」について正確な意味や目的、種類を紹介させて頂きました。

今回の「供養」の記事をまとめると、

・「供養」の語源は仏教が生まれたインドン、インドの古典語のサンスクリット語であり、サンスクリット語の「プージャー(尊敬・敬意)」を日本語に意訳したのが供養。

 

・仏教においての「供養(プージャー)」とは、仏に「尊敬」「敬意」の念を込めて、経読したり供物を捧げる行為全般のことを供養と言う。

 

・供養は大きく分けて「仏教供養(ぶっきょう)」「追善供養(ついぜんくよう)」「行供養(ぎょうくよう)」の3種類がある。

 

・「仏教供養」とは、仏様(ほとけさま)や諸天(しょてん)、菩薩(ぼさつ)に対して尊敬の気持ちを込めて、供物を捧げることを言う。

 

・「追善供養」とは、亡くなった人に対して冥福を祈るための供養。

 

・「行供養」とは、仏道修行のことを指す供養のことで、生きている人が仏の教えに従って善い行いをし徳を積むこと。

 

 

・供養というのは、お盆や、お彼岸、命日といった特別な仏教行事だけが「供養」というのではなく、仏壇に手をあわせたり、故人に語りかけたり、そういった日常的な供養も含まれる。

 

・供養の目的は「故人に向けたもの」と「遺族や残された人(生きている人)」に向けたもの」である。

 

供養には故人に冥福を祈りをささげることの他に、残された人たちのためでもあることが分かりました。

供養を行うことで故人の死と向き合い、残された人たちが故人に対す想いを共有し、喪失感や悲しみから心を癒していく時間を持つことができます。

供養にはさまざまな種類があり、一つ一つに意味がありますが、なにより大切なのことは、故人の冥福を祈る気持ちだと思いました。

あとがき

f:id:sasasan0424:20220413021601j:plain画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/98364

始めに話したことですが「供養」という言葉、なんとなく知ってはいるけど具体的な意味を知りませんでした。

だからなんとなくのイメージとして、供養というのは「~しないと供養ではない、供養とは~するべきなこと」みたいな形式的な意味合いの方が強かったです。

でも供養の言葉の意味や目的を知っていくうちに思ったのは、

『供養ってこんなに身近なことなんだ』と思いました。

供養は「~しなければ供養ではない」「供養とはこうするべきもの」という形や慣習のことを指して言っているわけではなかったんですね。

そう供養とは形ではなく心が先、気持ちや想いがあって「供養」という本来の意味が生まれるということです。